高野保光のコラム


by u-kuukan
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カテゴリ:建築( 29 )


先月、北欧に行ってきました。
目的は、アスプルンドアアルトの建築を体感することでしたが、今回、僕が一番グッときた建築は、フィンランドのトゥルクで見たブリュックマン設計の「復活の礼拝堂」でした。
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生涯、故郷のこの地で設計活動を続けた建築家です。7歳年下で、ユバスキュラ、トゥルク、ヘルシンキ、アメリカとより華やかな地に活動の場を移し世界的になっていったアアルトとは対照的で、その生き方にも強く惹かれました。ブリュックマンは、この街でローカルアーキテクトとして1955年に一生を終えました。図面に描かれる樹木の表現を大切にし、異常なまでに細部へのこだわりがあったそうです。建築の用途や周辺環境を注意深く読み取る手法、スケール感とプロポーションに深く共感しました。

この教会は、やや小高い丘にフィンランド特有と思われる澄んだ水平方向からの光を受けて、静寂の中に一見素っ気ない外観を見せて建っていました 。
ロマンチックで古典主義的、優しく淡い色合いの素材たち、ヴォールトの天井の礼拝堂は片側にのみ列柱と横長の大きな窓を配し、席のレイアウトは正面に対して斜めに振り、光と祭壇のほうに向いています。
アシメトリーな空間構成、清楚でなんとも幽玄、アールヌーボー調の控えめな装飾・・・・・・透明な光と影の静かな共鳴。

・・・・・・・・・いつのまにか癒されている自分がいました。

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by u-kuukan | 2016-06-08 19:43 | 建築

OB結婚式〜引き渡しなど

前回のブログから、久しぶりのUPになります。

d0021969_20180936.jpg2月21日は事務所OBの結婚式が、学士会館でありました。新郎新婦を立たせたままスピーチをするという大失態。花嫁はとても幸せそうで綺麗でした。空も、真っ青だったな。















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3月5日は、家づくりの会のリレー形式の個展の打ち合わせ落合さんが3月21、22日でした。次回は庄司さんで日時は5月23、24日、その後が7月25、26日が高野です。
9月が白崎さん、11月が松本さんと続きます。その会場に置く展示パネルをデザインしました。














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3月16、17日は建築道場の社外講師を勤めました。100名弱の設計者を前に設計作品の講評と夕方から講演会、真剣なまなざしに、2月のスピーチに続きまたまた緊張し、僕も刺激を受けました。2日目は住宅を案内しました。















d0021969_20180937.jpg3月21日からは家づくり学校の京都修学旅行に参加。じっくりと知られざる建築を味わい、さらに最後に京都の建築家の横内さんのアトリエを訪ねるなど、とてもとても消化しきれないほど建築と庭を堪能してきました。泉校長初め、ご尽力いただいた皆様に感謝。特に今回は東山の地面の何とも言えないパワーを、全身で感じて帰ってきました。
南禅寺で座禅をした成果?でしょうか。













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3月末は練馬区で住宅の引き渡し













今朝の新聞で目に留まったのは、
我々は見るものを模倣するのでなく、想像するものを模倣するのである。
という、哲学者、三木清の言葉。
私たちは、幻想をなぞりながら現実を組み立てているということ。
この「構想力の論理」は、ラジオや白黒TVや画像の悪い本を見て想像していた時代の言葉なのかなと感じました。鮮明な画像、リアルな画像や情報がいつでも手に入る
時代だからこそ、創造する難しさというものがあるのかな・・・・・・
今日は、こんな事を思いました。

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by u-kuukan | 2015-04-06 20:49 | 建築

自分の目

今度はスイスバーゼル大会。一回戦でベルディヒ(世界ランク7位)を破り、昨日2回戦も
勝ちました。それでも、まだTVのスポーツコーナーも、新聞のスポーツ欄も全く・・・です。
日本は、認められた人(競技)だけが注目される社会なんでしょうか。
テニスの錦織に関してはどうみても世界の方が注目していて、国内はさみしい限りです。

でも僕は自分の目を信じたい、錦織はまたひとつ確実に上のレベルに来ていますよ。

f0012852_19115952.jpgということで先月は、自分の目で名建築を見て歩きました。
レイモンドの軽井沢の新スタジオ、夏の家。吉村順三の軽井沢の山荘、カニングハム・ハーモニーハウス、脇田山荘、奥村昭雄の星野山荘・・・最後に吉村順三のお墓参りをして帰ってきました。

今週は『東村山の家』の上棟式で一週間がスタート。日曜日の昼から行ったのですが、
上棟式にカレーを出すというKさんご夫妻のアイデアに唸ってしまいました。通常は棟上した夕方から行うので、職人さんもあまり食べない(疲れすぎているのか、夜の晩酌にとっておくのか?)ことが多いのですが、この日は大勢でキャンプ場に来てランチという感じで大繁盛!!
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カレーも豚汁も皆おなかい~っぱい食べて飲んで、話にも花が咲き、トビッキリ笑顔の上棟式でした。
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by u-kuukan | 2011-11-04 18:33 | 建築

これも建築?

f0012852_16411281.jpg先日、家づくり学校で見学してきた栃木県深岩石の石切り場。
人の手で、何年も何年もこつこつ切り出してできた時間が刻んだ造形物。
f0012852_16412274.jpgこちらは富津の海岸で見た鉄板の構造物。
高さは22~28メートル、鋼板セルと呼ぶものらしく横浜本牧突堤で使うものと書いてあった。
護岸工事用なのでしょうか?これもなかなかの迫力である。
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by u-kuukan | 2011-05-25 19:34 | 建築
f0012852_20562946.jpg先日、古谷誠章+NASCA設計実践学園中学・高等学校自由学習館を見た。
大人数から小グループ、一人の場合など学生が自由に学習の場を選べるような、肌理の細やかな空間構成になっていて、利用者が動くことで多様な場が見え隠れする豊かな場所を作っている。
どの空間にも人の手が感じられ、2階の階段状のラーニングテラスは、大げさすぎない高さを抑えた不定形な天井が傘のように覆いかぶさり、西側の都市公園の緑を取り込み、心地よい空間になっていた。
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この感覚は吉村順三事務所で体験した感じにも似ていると思った。明らかに写真より実物が良く、なかなか立ち去りがたい『建築』だった。
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by u-kuukan | 2011-05-02 19:03 | 建築
春の講座のお知らせです。

建て主ご家族、設計者、施工者(作り手)とのチームワークから生まれる家づくりに
ついての3回連続の講座です、是非お出掛けください。

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家をつくるということは 設計者や多くの職人さんの手の力によって生まれ建て主・設計者・作り手のチームワークが大きな強みになります。
この講座は 家を実際に作った方々(住み手・設計者・作り手)の座談会を通してチームワークによる家づくりの姿を浮き彫りにさせこれから建築家との家づくりを考えている方々に良い家づくりをするための参考にしていただこうと言う主旨の3回連続の講座です。


第1回 4月17日(日)午後1時30分〜4時30分
【講  座】 「予算と設計監理」 古川泰司
【座談会】 「建築家とつくった家に住んで」 高野保光・宮野人至
【会  場】 渋谷区文化総合センター大和田・学習室1

第2回 4月24日(日)午後1時30分〜4時30分
【講  座】 「スケジュールと設計監理」 石黒隆康
【座談会】 「建築家と家をつくるということ」 諸角 敬・泉 幸甫
【会  場】 渋谷区文化総合センター大和田・学習室1

第3回 5月1日(日)午後1時30分〜4時30分(終了後に茶話会を予定)
【講  座】 「予算・工法別の家づくり リフォームと耐震改修について」
       1000万円台の住宅 ・・・根來宏典
       3000万円台の住宅 ・・・松原正明
       5000万円以上の住宅・・・荒木 毅
       リフォームと耐震改修・・・半田雅俊
【会  場】 渋谷区勤労福祉会館第2洋室 → 渋谷区文化総合センター大和田・学習室1
       
 ※5月1日の会場が変更となりました。
  また、会場の都合により茶話会を中止させていただきます。
  申し訳ありませんが 御了承くださいますようお願いいたします。


【参加費】 500円(500円ですべての回にご参加いただけます)
【申込先】 NPO法人家づくりの会(こちらの申込フォームで)
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by u-kuukan | 2011-04-11 19:19 | 建築

宝積寺駅前

f0012852_20373193.jpg先週、事務所スタッフ皆で宝積寺駅ちょっ蔵広場(隈研吾設計)を見てきた。
僕が高校のときは隣町の氏家から宇都宮まで電車で通っていて、毎日毎日車窓から眺めていた東北本線の寂れた小さな駅だった。

駅の東側は古い2、3棟の大谷石の蔵があって、鉄道の赤錆と風化した大谷石の表面に赤茶色のミソと呼ばれる指でも掘れるような部分とが、点描画で言えば同じトーンで同じタッチで描けそうな空気感があり、妙に馴染んでいたのを覚えている。この駅から烏山線という車両1、2両のローカル線があり当時は「烏山線廃止絶対反対!!」といった趣旨の看板が、その駅のトーンにアクセントをつけていた。

f0012852_20382273.jpgその駅前の風景が、点描画のような粒子を生かしながらも、大きく変化していた。
烏山線は無事生き残り、車両のデザインも変わっていた。駅舎もローコストの素材をうまく使いながらも栃木の駅とは思えないほどスマートに生まれ変わり、駅前は蔵の再生と再利用した大谷石で作った新たな建築により、力を失くしつつあった「場所」に新たに息吹を与えているように見えた。
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by u-kuukan | 2010-05-31 19:20 | 建築

保育園と最古の学校

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日曜日はカミさんと、山本成一郎氏設計、桐生市の保育園の内覧会とその足で桐生市役所、市民文化会館、隣町の足利学校、善徳寺などを見て回った。

保育園は生まれてはじめての集団生活、社会を学ぶ場所でもある。
フランシスコ・ザビエルに「日本国中もっとも大にして最も有名な坂東の大学・・・」
と海外に紹介された足利学校日本最古の学校といわれているそうだ。

2つの教育の原点を散策しながら、自分が保育園児だった幼い頃と、最古の学校での往時の学生たちの学ぶ姿を想った。入場券が足利学校入学証になっていてなんか嬉しくなった。
学生に戻ったような初々しい気持ちになって入徳門、そして学校門をくぐった。
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by u-kuukan | 2010-05-18 18:18 | 建築

吉村順三記念ギャラリー

事務所の連休一日目は、カミさんと食事に出かけた後、
僕は吉村順三記念ギャラリーに向かった。

f0012852_10321293.jpg軽井沢の山荘C~折れ屋根の家~の展示だった。
別荘であってもいつものように生活を深く観察して設計され、軽井沢のその場所に建つ風景が見えてくるようだった。写真や図面からもスケール、プロポーションも、たぶん肌触りのよい落ちついた感じなんだろうなと、勝手に想像してみた。一通り見た後、担当で会場にいた建築家の手嶋さんに、声を掛けていただき思いがけず2,3階のアトリエも案内していただくことに。

いろいろ話を聞きながら、このアトリエで仕事をしていた手嶋さんや十数人いたという当時のスタッフ達、そしてそこに立つ吉村順三の目の先を思い浮かべた。
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by u-kuukan | 2010-05-05 11:41 | 建築
谷口吉生設計の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・図書館と、イサム・ノグチ庭園美術館、直島にある安藤忠雄設計の地中美術館そして直島に点在する現代アートを見てきた。
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その中でも僕の一番は丸亀の美術館。自然豊かな場所や公園ではなく駅前にある。現代アートを日常的に多くの人に親しんでもらいたいという猪熊の思いが、建築家谷口吉生とのコラボレーションによって具現化した。受付がどこか、どこまでが展示スペースか分からないくらい、猪熊作品が都市に飛び出し、人々の行き交う駅前に、日々の街の生活のど真ん中にアートがある。猪熊は「現代美術館は静かな場所でなく常に動きつづける場所にたてたい」と強く望んでいた。
外も内もオープンに猪熊作品が展示してあり、自由に見ることができ、立ち止まることも、フラッシュをたかなければ写真も何枚でもどうぞという気前の良さ。しかも高校生まで入場無料、一般も常設展は300円、しかも中に入らなくても、カフェにも、図書館にもあちこちに猪熊作品が惜しげもなく置いてあり現代アートを堪能できる。

f0012852_20204123.jpg都市的なスケール、シンプルで巨大な門構え、プロポーション素材・・・・・美しい建築である。「子供から入場料を取ってはいけない。少しでも取ってしまえば、よほどのことでないと来られなくなる。タダなら、学校の帰りだろうと何だろうと、いつも寄ることができる。そういうふうに見てもらわなくちゃいけない。」と、猪熊先生が発案されたという。そのさまざまな思いや深い愛を今も引き継いでいる丸亀市も市民もカッコイイ。どこも今は財政難で予算がなく美術が生活から遠い存在になっている、そんな時代にこの丸亀市現代美術館は凄い!!もっと、もっと多くの人に見て欲しいと思った。
美術品を囲って高いお金を取って特別な世界に持っていってしまうのではなく、このようなあり方もあるのだということを知ってほしいし、他でもこのような美術と触れ合える場所があちこちに生まれたなら・・・・私達の日常はもっともっと楽しく美しくなるのではないだろうか。

f0012852_20134446.jpg僕が20歳代に新制作協会のスペースデザイン部で賞をいただきその、新作家賞の受賞式での猪熊先生の温かいまなざし、優しさ・・・・力強くしっかり手を握ってくれたあのぬくもりが突然蘇り、グッとこみ上げてきて、おおきな鮮やかな様々な形が浮遊している絵の前で、しばらく立ち止まってしまいました。



二十代、猪熊先生より新作家賞の記念品を頂いた時の写真
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by u-kuukan | 2009-12-03 20:30 | 建築