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高野保光のコラム


by u-kuukan
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敷地調査

敷地調査_f0012852_1928765.jpg敷地を見てきた。
打ち水された玄関に迎えられ、鉢植えの緑が風になびいて涼しげだった。東西に長い母屋は広い庭に向かって開き、テラス越しに、窓一杯に手入れの行き届いた豊かな緑から、心地よいひんやりした風が、室内に惜しげもなく入ってくる。庭の池には、淡い色の蓮の花がキリッとした姿を見せ、暑さも近寄れない空気感があった。この母屋と庭の関係を壊さないで、敷地の一角に新たに若いご家族の住まいを作るというプロジェクトがこれから始まる。
敷地調査の後、母屋をお借りしてKさんご夫妻にご要望等お聞きした。
「自分がいままで読んできた本も、子供達の本と一緒に並べて置きたい。
いつか子供達がその本を手にして読むことがあるかも・・・・・」
という言葉が耳に残っている。
また、打ち合わせが終わる頃には、建て主のお父様が、「ちょっと、関係ないんだけどネ・・・・」
とちょっとはにかみながら付箋をつけた海外の雑誌3冊を持って僕の隣に座った。

「僕はこんな感じの家がいいんだよね~」
「庭から靴のまま入れて・・・・・・」
「インテリアは、幅広の床板に・・・・」

と新居への夢を語ってくれた。
息子に「こんな家にしなさい!」とか「家はこうあるべき」と押し付けるのではなく、息子の前で、ただただ目を輝かせて自分が建てかえるなら今度はこんな家にしたいなと語るお父様もとても素敵でした。

実はそのお父様のお父様も「名刺をいただけますか」「構造は木造ですか」など、2,3お声をかけていただきましたが、お孫さんの家づくりをとても楽しみに待っているようでした。
でも、具体的な家づくりについては、一言も語らずいつのまにか席をはずされました。
お母様にはお茶を入れていただいたり、敷地調査の後の冷たいお絞りを出していただきましたが、息子さんへの家つくりの注文はありませんでした。

これから始まる家づくりは、その明るくスマートで爽やかな4世代が
一つの庭を囲んで皆で暮らす・・・・・・そんな家をイメージしています
by u-kuukan | 2009-07-19 19:22 | 仕事