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高野保光のコラム


by u-kuukan
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武相荘

遅く起きた日曜日の午後、カミさんと町田に白洲次郎白洲正子武相荘を訪ねました。
敗戦を見抜き茅葺き屋根の農家を購入したのは次郎41歳、太平洋戦争が始まって1年後の春でした。
17歳で英国留学、、戦後GHQとの折衝にあたりその後いくつもの会社の経営に携わり80歳でポルシェを乗り回しプリンシプルを貫いた次郎。14歳で能の舞台に立ちアメリカのハートリッジ・スクールに留学し骨董と花を愛した正子が50年以上住んだ家です。
武相荘_f0012852_19181610.jpg

まさにオンリーワンの生き方と住まいでした。
次郎は、何度も何度も家に手を入れたそうです。
武相荘や軽井沢の別荘で様々な工事が行われるたびに、時間のゆるすかぎり、本人も参加していたといいます。シンプルながら味のある手造りの家具や小物も残っています。
農家の土間だったところは、まったく違和感のない白いタイル敷きの居間になっていました。
何から何まで、綿密に計画を建てて家を建ててもそのとおりの生活が出来るわけでもないというようなことを次郎は言い、その時々に応じて手を加えることも楽しんでいたようです。
武相荘_f0012852_19183864.jpg

また、正子は花を活けることについてこう語っています。
「美しい花があって、しっかりした器があって、それに似合った空間があってこそ、花そのものも生きてくるのよ。」・・・・・・・・・と。
by u-kuukan | 2008-05-20 11:11 | 建築