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高野保光のコラム


by u-kuukan
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サザンビーチ

春から茅ヶ崎の現場に通っている。
午前中に現場の監理をすると帰りはいつもちょうどお昼時。
先日は、吸い寄せられるようにサザンビーチカフェに向かった。
「こんな海を毎日眺めていたら間違いなく人が変わるよね」なんて、スタッフの金子に言葉をかけたあと、パスタを食べながらキラキラ揺れる海を眺めながらフッとこんなことを思った。

都会の生活では、普段水平線を見ることはまずないが、遥かかなたに見える地平線やこんな水平線を前にすると何故か胸が高鳴る、そしてやがて心が落ち着いてくる・・・・・そんな経験はないだろうか。どうも僕達「」は空や水平線、地平線を見ることが出来るこんな場所が必要らしい。

精神分裂症という病はその遠近法を喪失し、自我の地平が解消・喪失する病であるという。
自分のいる「ここ」から、今何が見通せるのか?都会の生活、狭い居住性のなかで僕ら建築家は空と地平にどう繋がる家を提案できるのだろうか?またはそれに変わりうるものがあるのだろうか。昔は当たり前だったであろう「遥か」を望む生活がそう簡単に出来なくなっていることが、少なからず現代人の心に影響を与えているような気がしてならない。
サザンビーチ_d0021969_1939231.jpg

食後、若いカップルでにぎわうサザンビーチを、水着を着ていない汗をかいた変なおじさんと青年2人組ですこし散歩してから、地平線の見えない街に戻ってきた。
by u-kuukan | 2008-08-04 20:04 | 仕事